
店主の感性が際立つ京町家の空間 「京町家サロンこいやまCafe」
昔は呉服関係の問屋などが多く立ち並んでいた室町通。ここを2本北に歩くと、のれんが風にたゆんでいる京町家のおしゃれなカフェ「京町家サロンこいやまCafe」があります。店主の加藤洋美さんにお話を伺いました。

店主のフィルターが通った店作り
——町家なことと、窓ガラスから見える雰囲気のある店内が見えて気になっていました。いつからお店を始められたのですか?教えてください。
通りすがりに見つけて外から店内を見て入ってきていただける方もよくおられるんですよ。「こいやまCafé」自体のオープンは2018年ですが、2025年の4月から私が引き継いでいます。
——そうだったんですね。何かきっかけがあったのですか?
実は私はフォトグラファーでもあるんです。「こいやまCafe」を知ったのは、ここで知り合いのイベントがあった時に来させていただいたのが始まりです。それから自分の仕事で撮影する時にレンタルをしたりして何度か使ってきたのですが、ある時、前任の方からカフェを辞めようかと思っているお話を聞きました。当時スタジオを探していたので、カフェ兼スタジオとしても使えると思って引き継がせていただくことになりました。

——とても幸運なお話ですね。なるのでしょうか。
そうなんです。何十年後か先にカフェでもやれたらいいなと思っていたのですが、これを逃す手はないと思い決断しました。
——カフェを運営とフォトグラファーをされて、お忙しいのではないですか?エティ番組でも、昔のおじさんの衣装としてよく見ます。
一人で回しているとそうかもしれませんが、スタッフや家族に助けてもらって調整しながらやってます。
——ご家族の支えが頼もしいですね。
ありがたいですね。料理は私が担当しているのですが、ドリンクは娘と一緒に開発していて、「こんなのが可愛い」とか色々提案してくれてそれを取り入れています。ここを利用していただくお客さんがSNSで投稿される方が多いので、映える事も踏まえて考案してくれています。
——確かに。メニューにある抹茶ラテを撮らせて頂いたのですが、写真映えします。そしてとても爽やかで美味しいです。いですね。
ありがとうございます。抹茶は京都の宇治田原から取り寄せているんですよ、料理に合うようにスタンダードはスッキリとした味にしていて、甘い方がいい場合は調整してお出しします。2層になっていて上に抹茶と下にミルクです。ホットラテだと陶器は風合いがありますが、コールドだとガラスなので映えやすいですね。

——そしてこいやまキッシュのプレートは厚みのあるキッシュと酸味のある野菜でとても満足感があります。
キッシュは毎日焼いて提供していて、日替わりで内容を変えているんですよ。満足いただけて嬉しいです。
また、季節によって旬の野菜を使用しているので内容を変えて提供しています。野菜は亀岡の有機野菜をふんだんに使って体に優しい食材の提供を心がけています。
——どちらも地元京都のものが使われているのですね。
特に地元だからというわけではないのですが、新鮮で健康にいいものを提供したいので。主婦歴と日本の伝統食をベースにした、玄米が主食のマクロビオティックの考えを取り入れつつ、美味しく食べていただけるものを考えています。


——全て手作りなのですか?
いえいえ、そういうわけでもなく、今までの出会いやつながりのある方々で、私がおすすめしたいと思ったものも取り入れてやっていますよ。例えば北山の「サーカスコーヒー」さんのコーヒーを提供していたり、宇治田原に大正園というお茶屋さんがあるのですが、めっちゃおすすめしたり(笑)。抹茶ラテの開発の時などにとても相談に乗ってもらったんです。そういった、いいと思えるものをおすすめしたくて。
——加藤さんのおすすめが沢山なんですね。まるでセレクトショップみたいです。
有名なすごいみなさんに関わっていただいているんだなと思っています。そういったものをありがたくおすすめしたい。

人が集まり色々な使い方ができる場所に
——加藤さんはフォトグラファーとのことですが、どういった経緯でなられたのですか?
実は専業主婦を長くやっていて、もう一度社会に出て働こうとしたらなかなか採用されなかったんですね。だったらフリーでやってみようと一念発起しました。そこで動画編集者になるためのスクールへ入りました。
——かなり思い切りましたね。どうして動画編集者だったのですか?かもしれませんね。
当時はコロナに入ったばっかりで、外出の自粛の真っ只中で動画の需要が伸びた時期だったので、動画のスキルを身につけると強いと思ってスタートしました。
——確かに動画サイトが盛んで、学校の授業などもオンラインでしたね。需要が多かったんでしょうか。
そうですね。動画編集だけではなく撮影も学ばせていただきました。また色々手伝ったり質問しているうちに、現場へ同行させていただくことも増えました。
——おお、すごいバイタリティ!!そこからお仕事に繋がったんですか?
意外にも教えたい人が多いと思います(笑)。ありがたいことに、アシスタントで学ばせてもらいながら「これだけ撮れるならもう仕事もらえるんじゃない?」って言ってもらって。少しずつですが動画のお仕事の依頼がくるようになって、静止画のお仕事のいただくようになりました。

——短期間で仕事になっていくのがすごいと思います。そしてこの場所がスタジオとして巡り合うわけですね。
そうなんです。自分の撮影場所としても活用していますが、京町家としてのご縁をいただいたのでそれを前面に出せるような運用を考えています。そのために家具は全てアンティークで揃えて雰囲気を出すように。そうするとカフェを利用するお客さんが、どの部分を切り取っても写真が映えるような空間を提供できますよね。
——巡り会った会った空間をうまく利用されているんですね。他にも色々活用できそうです。
そうですね、うちはイベントでも貸切などでレンタルスペースとして提供しているのですが、わかりやすいところで言うとコスプレ撮影で使われることがあります。どのように使われるのかはお客さん次第なので、「そういう方の需要があったか」と、毎回ヒントをもらったりしてます。
今後のプランとしては、観光客に向けた撮影プランなどもやっていきたいと思っています。

——最後に、加藤さんが今後考えていることなど教えてください。
「こいやまCafe」に関わるみなさんが幸せだといいなと思っており、それこそ自己実現できる場所になるといいですね。
何かチャレンジしたい、発信したいと思われている方も多くおられる思います。フォトグラファーの私としては最初の応援ができると思っています。
またカフェとしてうちに来られる方は、年齢層もバラバラでたまたま歩いていて見つけたとか、グーグルの口コミを見て来たなど様々です。何気なく立ち寄って、ゆったりとした空間でくつろいで、体に優しい食事やお飲み物で心身ともに整えていただける場としてご利用してもらえればと思っています。
カフェの店主として、フォトグラファーとして活躍される加藤さん。インタビュー中も軽やかな雰囲気でお話される中に、思い切った決断をされ、研究熱心でとても努力が必要だったのではないかと感じました。とても素敵な空間のこいやまCaféと加藤さんにぜひ会いにいってみてください。(文・写真:山本)
京町家サロンこいやまCafe
京都府京都市中京区鯉山町524
050-1405-8581
定休日 月曜日・火曜日
営業時間 11:00~18:00
https://kaorin0506.com/
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。







