路地裏に素敵な隠れ家発見!イケメン二人がもてなすワインのお店「葡萄酒堂」
ワインと和食のペアリングが楽しめる、イタリアと和の調和。
四条烏丸近辺には、たくさんの町家があり、たくさんの路地があります。小さい頃に探検ごっこをし、知らない路地に入るとワクワクしていました。ここはどこに繋がっているんだろ?どんな人が住んでいるのだろ? 日常ではない、昔にタイムスリップしたような非現実的な世界感のある路地もあり、より京都の良さを色濃く出しています。 そんな情緒がある路地が大好きな筆者が見つけた、四条東洞院の路地にひっそりと佇む葡萄酒堂さん。 ソムリエの川口さんと、和食料理人の宗さんにお店についていろいろお話を聞かせていただきました!
イタリア・東京・京都で修行し満を持して
――お店を始めたきっかけは?
川口さん:昔からの夢でしたね、30歳とか35歳の頃に自分のお店をもてる機会はあったのですが、まだ修行が足りないと思いイタリアや東京など渡り歩き、40歳を超えて満を持して店をかまえました。
――具体的にどんなお店で修行していたんですか?
川口さん:最初は、宗くんの叔父さんがやっていたイタリアンレストラン。そこがしっかりしたリストランテで、四季ごとにメニューが変わり、季節のイタリアンを味わえるお店でした。ここでイタリアの郷土料理やワインの美味しさを知りましたね。イタリア帰りの人も多く、感化され興味を持ちました。他にも京都の老舗イタリアンに5年ほど働いていたり、イタリアへ行き現地で働きながら、ソムリエの資格を取ったり。また東京に行き赤坂見附の商業施設内にある、3店舗のレストランの総支配人もしていました。
修行中は運が良かったのかたくさんの人と知り合いました。 お店で出しているチーズも、ソムリエの資格を一緒に取りにいった時の仲間が 北イタリアの大手チーズ会社の社長と結婚したので、卸してもらってます。
――店名が「葡萄酒堂」ですが、ワインのこだわりは?
川口さん:100%イタリアワインだけを提供していますね。 ブルゴーニュやその他にも美味しいワインはあるのですが、 あれもこれもとブレるのが嫌で一点突破です。お客さまにも分かりやすいかと。 その代わり、イタリアのワインを出させたら1番。ディープなものも揃えています。
――ワインと和食の組み合わせってめずらしいですよね?
川口さん:コンセプトとして、イタリアのワインと食材をメインとしたお店で いろんな料理人さんとコラボレーションしたかったんですね。宗くんとは昔から一緒に働きたかったし、ちょうどタイミングも合ったので、今はワインと和食というスタイルでやっています。
――ワインと和食というスタイルは、今後変わる可能性もあるんですか?
川口さん:宗くんと長くやれるに越したことはないですが、もし宗くんが今後、独立を考えているなら「頑張って!いってらっしゃい」と送り出したいですね。その後は、またその時にご縁のある料理人さんとコラボする。それがフレンチか、中華かは分からないですが、イタリアのワインという柱があるので、ワインバーという点では、ブレないと思います。そこだけはしっかりブレないでいたいですね。でも今のまま、二人で続けるに越したことはないんですけど。
食べる人のことをどんだけ思いやれるか
――料理人を目指したきっかけは?
宗さん:最初はたこ焼き屋さんをやってたんですが、本格的な料理がしたいなと思い立ち、やるからには中途半端なことはしたくないから本気でやろうと思い調理師学校に行き始めました。当時は学校に行きながらいろいろな料理店で働いていました。北海道料理のお店や嵐山の料理旅館、おばんざいのお店など和食が中心です。懐石料理を出している店でも働いて、揚げ場、焼き場、煮方、板場など一通り仕事を覚えましたね。
――得意料理や料理について大切にしていることを聞かせてください
宗さん:個人的に料理人は、全て得意じゃないといけないと思うし、僕は苦手なものでも得意になるようにしてきました。しいていうなら料理していて特に楽しいのは、鱧かな。鱧を売りにしていた料理屋で料理長をしていたので思い入れがあるんです。夏の京料理の代名詞でもあるし。
大切にしていることは料理すべてに思いを込めること。言葉でいうと安く聞こえるかもしれないけど料理は愛がないとね。食べる人のことをどんだけ思いやれるか。 商売的にもしたくないし、ほんまに身内に料理を出してる感じでいつも思いを込めてますね。顔には出さないけど、「おいしいね」って聞こえてきたら心の中でガッツポーズしてます。 昔の伝統も大事やけど、新しい挑戦もしていますね。奇をてらうことはしないけど、次の世代に繋げないといけないしニーズに合わせながらも伝統を守っていきたいです。
筆者はワインについて詳しく無いのですが、気分や料理などを伝えると川口さんがいろいろとチョイスしてくれます。さっぱりしたものからフルーティーなもの、紹興酒みたいなもの。いろいろありワインってこんなに味が違うんだと驚きました。宗さんの料理は何を食べても美味しく、行くときは毎回、魚料理を中心にオーダーしています。こんな近場でおいしい魚料理やお寿司が食べられるのが幸せすぎます!あとは、みんな一体になって楽しい空間ができているイメージです。おひとりのお客さんも楽しめると思います! (文:奥谷/写真:木村)
葡萄酒堂
左:川口 真哉
1977年大阪府出身。京都・東京などで修行後イタリアでソムリエの資格をとり2020年に葡萄酒堂をオープン。趣味は楽しく飲むこと。
右:宗 芳樹
1978年大阪府出身。京都の老舗料理屋などで修行し、同級生の川口さんの誘いで、葡萄酒堂の板長に。趣味は馬鑑賞。
葡萄酒堂(ワインどう)
京都市下京区元悪王子町47-12
TEL 075-708-8888
定休日 日曜日
営業時間 15:00〜24:00(LO 23:30)
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。