魚料理を愛する大将自慢の山盛海鮮丼「海鮮居酒屋 一楽家」
地元の方から著名人まで、幅広い方に愛される名店
高辻東洞院を少し北に上がると見えてくる、海鮮居酒屋「一楽家(いちらくや)」さん。お店の前にある「名物ランチ 特上山盛海鮮丼」の看板を見たことがあるという方は多いのでは?一楽家さんのランチメニューは、この海鮮丼1本勝負なんだとか。これには、なみなみならぬこだわりがありそう!ということで、海鮮丼のこと、お店のこと、大将の石川さんにいろいろ話を伺いました。
仕入先との信頼関係があってこそ、提供できるメニュー
――早速なんですが、ランチメニューが海鮮丼のみの理由とは?
実は元々、海鮮丼は月曜日と金曜日の限定メニューだったんです。他の曜日は、日替り定食を出していたんですが、海鮮丼の人気が高かったので今は海鮮丼1本に絞って出すようになりました。なぜ海鮮丼なのかと言えば、僕が魚好きだから。その日、中央市場で仕入れたネタを、生きのいいうちに食べてもらいたいです。
――一楽家さんの海鮮丼は、ネタの種類、ボリュームが満点。それでいて1,000円以下っていうのがすごいですよね。
高く売るのは誰でもできますから。ネタを仕入れているのは、もうかれこれ15~6年の付き合いのあるところなんですが、「一楽家の大将が言うならこの値段で…」って、いいものを安く仕入れることができるんです。海鮮丼は信頼関係があってこそ、成り立っているメニュー。ボリュームに関しては…お客さんに喜んでもらいたいので、ついつい多めになってしまいます。
――ちなみにSinQスタッフの間では、「お味噌汁も美味しい」と話題なんですが、おいしさの秘密は?
味噌汁には自信がありますよ!マグロの筋などで出汁をとっているので、旨味が濃いんです。結構、贅沢なお味噌汁だと思いますよ。
ラストオーダーなし。実家のようにくつろげる空間
――ところで、有名人のサインがずらっと並んでいますが…。
スポーツ選手や俳優さんなど、いろいろですね。この前、来店してくれたミュージシャンの方は「東京にもこんなお店があればいいのに!」って帰っていきましたよ。
――確かに一楽家さんはアットホームな感じで、居心地がいいです。お店を営業する上で大切にしていることはありますか?
一番はお客さんに楽しんでもらうこと。おいしさや価格面はもちろんですが、お客さんにゆっくりくつろいでもらうため、うちではラストオーダーを設けていません。他のお店だと、閉店時間が近づくと「そろそろ閉店です…」って声をかけるでしょ?うちはお客さんが帰るまで、ずっとお店を開けています。お客さんが楽しんでいるところに、水を差したくないと思っているので。
――えっ!ラストオーダーがない?ちなみに、最長何時まで店を開けていたんですか?
朝の7時30分。その時は流石に「モーニングコーヒーでも飲みに行きましょうか?」って声をかけましたけど(笑)。
喜んでもらえなければ、自分でお店を出している意味がない
―― 一楽家さんは創業何年目になりますか?
私が30歳の時に独立したので、17年目ですね。最初は室町仏光寺にお店を出したんです。その2年後に、ここ四条烏丸店を2号店としてオープンしました(1号店は既に閉店)。本当は25歳に独立しようと準備をしていたのですが、いろいろと頼っていた人にお金を持ち逃げされてしまいまして…。
――え!資金がゼロに。
そうなんです。でも、これも勉強ですね。それから5年、とある料亭で必死に修行しました。当時働いていたお店は、閉店していてもお客さんが来ればお店を開けて迎え入れるようなところで。料理のイロハはもちろんですが、どうすればお客さんに喜んでもらえるか、接客面でも多くを学びました。
――ちなみに自分のお店を持とうと思ったのはいつですか?
高校生の頃です。当時お弁当屋さんでバイトをしていたのですが、結構繁盛している店で。レジを開けたらお金がたくさんある。これは儲かるな!って(笑)。もちろんそれだけではありませんよ!食べるのも、飲むのも、魚料理も好きだったからですね。
――「一楽家」という店名の由来は?
「一日一日を 楽しく過ごす 家のような居酒屋」の頭の文字をそれぞれとって「一楽家」です。25歳の時にテレビを見ていた時にふっと思いついて、独立した時はこの店名にしようって決めていました。
――まさにお店の雰囲気とぴったりですね。
お客さんに楽しんで過ごしてもらうのはもちろんですが、同時にスタッフにも「ここで働いてよかった」って思ってもらいたいです。お客さんも、取引先も、スタッフも、みんなに楽しんでもらいたい。楽しんでもらえなければ、自分でお店を出している意味がないと思っています。
見た目はちょっと怖そう?でも話してみると、とても暖かい人柄の石川さん。一楽家さんは常連さんから著名人まで幅広い方から愛される地元の名店です。これからの季節は、鱧がおすすめだとか。鱧落とし、鱧しゃぶ、鱧のこごり…いろんな鱧料理を堪能できます。カウンター席もあるため、おひとりさまでも入りやすいですよ。 (文:高原/写真:木村)
一楽家 大将 石川 文彦さん
1973年京都市生まれ。20歳から居酒屋など3つのお店で修行を重ね、30歳の時に「海鮮居酒屋 一楽家」をオープン。プライベートでも釣りや魚料理を嗜むほど魚好き。年に1回、スタッフと共に行く海外旅行が楽しみ。
一楽家
京都市下京区東洞院仏光寺下る高橋町613-4 サイトービル1階
TEL 075-351-0164
定休日 日曜日・祝日
営業時間 ランチ/11:30~13:30 ディナー/17:00~24:00
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。