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オーナーのキャッチーなアイデアが光る 「Roji-oku」

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ランチも一枚もののローストビーフを提供 

車や自転車が行き交う仏光寺通と烏丸通の交差点。そこから西へ少し行ったところに看板のイラストがトレードマークのビストロ「Roji-oku」があります。

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元あるお店をリニューアルして始めたお店

――元々飲食店経営に興味があったんですか?

過去に大手食品メーカーに勤めていたのですが、自分の店を持ちたくてこの業界に入りました。実家が大阪でホテルをやっていることもあり、幼い頃から飲食やサービスに触れてきたので自分の店を経営していくというのは自然なことだったのかもしれません。これまでに6店舗ほど京都で飲食店を立ち上げました。

――そうだったのですね。こちらは新店舗ですか?

いえ、以前に立ち上げたレストランを改装して、ローストビーフを売りにした店にリメイクしました。2020年当初まで、品数多めの飲食店がまわりに多かった中、うちも同様だったんですね。何かこだわりのあるコンセプトを持った店にしたかったんです。

――課題感をもたれての方向修正だったんですね。

そうですね、僕は野菜ソムリエの資格を持っているので、農家さんから野菜を取り寄せた料理を強みにやっていましたが、今までより感度を上げた店舗にしたくて。

ただ野菜だけでは弱く悩みました。何かメインになるものが必要と思いながらも2020年8月10日にRoji-okuはオープンしました。

 

看板メニュー「ローストビーフ」の誕生

――オープン当初から和牛ローストビーフはあったんですか?

それがオープン当時はメインになるものがなくて(笑)フワッとしたまま1週間ほど経過してから「ローストビーフ」に決まったんです。 

――えっ、大変…。よく看板メニューが誕生しましたね。

そりゃ、1週間死ぬ気で試行錯誤ですよ(笑)。やり続けている中で、僕が信頼する社員の林原に「何で勝負したい?」って聞いたんですね。答えてくれたのは「ローストビーフと野菜添え」。野菜添えもいいけど、潔く「ローストビーフ」1つで勝負した方がお客さんに伝わりやすいと思ったのが経緯です。 

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店舗のメニューには必ず牛の個体識別が書かれている

――見え方と伝え方は重要ですよね。他には順調でしたか?

もう一つの課題感は、ご覧のように通りに面してない奥まった立地条件でどうすればお客さんが来てくれるか結構考えました。   

――確かに。名前の通り路地奥ですね、広告など出されたんですか?

当初、全然出してなくて。奥まっているから雑誌側からも見つけられないのか?って(笑)。それは冗談ですが、ただ店の雰囲気を伝えたく、イラストを作ってトレードマークにしたら、「このイラストのお店」みたいな覚え方で来てくださる方が増えたんです。  

――一度見たら忘れないキャッチーなイラストですね。

そうでしょ?僕が知る限りこの界隈でなかなか見ないテイストのイラストだし、これで覚えてくれてたらという感覚でロゴのように扱ってます。

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――もはや立派な作戦ですね。

感度を上げるコンセプトでやっていると、お客さんがどういう思いでRoji-okuを選んで来てくれているのか?と考え、イメージするんです。店内装飾は統一感があって清潔であること、壁にはこんなイラストがあったらいいだろうか。色々考えました。そんな時、このイラストを装飾して覚えてもらうようにすることを思いつき、グッズでソックスまで作っちゃいました(笑)。  

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店内に飾られたイラスト

飯テロならぬランチテロ!? SNS発信中

――先ほど広告はあまりとありましたが、SNSは頻繁に更新されていますね。

開店以来ずっとランチの投稿をしています。ランチタイム前の直前にその日に出すメニューをUPするんです。そうするとこれ目的にインスタグラムを見に来てくれるようになりました。気づけば3,000人を超えるフォロワーさん、大変ありがたいです。

――写真がどれも美味しそうなんですよね〜。

最初はシンプルなメニューだったのが、これとこれが合いそうという形で創作料理になっていきましたね。よかったものはメニューにもなり得るし、自分たちの瞬発力も上がる。

――やっていてどれもいいことですね、何よりお客さんの反応も知れる。

そう、ダイレクトに反応がわかるのは接客業なのでコミュニケーションの観点からも大切だと思っています。

――そういえば、20代くらいの若いお客さんが多く来られてますね。

そうなんです。若者をターゲットにしていたわけではないのですが、結果的に若い人が多く来店してくれてます。SNSの影響が大きいのかもしれませんね。
最近ではシニアの2人組、主婦のグループなど顧客層は様々ですが、入り混じっていても違和感ないというか。そういう姿でありたいし、うちのファンとして来てくれているといいなって思ってます。

――愛されていますね。最後になりますが、これから考えられていることなどありますか?

無理に店舗を増やそうとは考えてなくて、繁盛して人が増えた時に店舗増やそうかという自然な流れですかね。まずはこの場を充実させたいです。
あ、ただ9席と狭い店舗ですが、以前三条に出していたところを改装して最近「センターフライ」というお店をオープンしました。トンカツ・メンチカツを中心にした創作揚げ物や日替わり・週替わりの2種類の出汁に合うおでん、おばんざいを提供するお店です。また雰囲気の違う店舗になっているのでぜひ来てください。

SNSでランチ前に投稿したり、ローストビーフの一枚ものをランチに提供したり。奥まった場所に人を呼び込む作戦で店舗を盛り上げていく井上さんの生き生きとした表情が印象的でした。美味しそうな料理のオンパレードで飛び込んで私の空腹も刺激されっぱなしです。(文:山本/写真:上山)

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Roji-oku  代表社員 井上剛さん

大手食品メーカーを経て飲食店経営に。人を惹きつけるキャッチーなお店にファンが増加中。趣味はファッション。

Roji-oku

京都市下京区仏光寺通新町東入ル糸屋町215-1 プローディア仏光寺1F 
TEL 075-585-4218
定休日 月曜日
営業時間 11:30〜15:00(LO14:30) 17:30〜24:00(LO23:00)
http://wwwsaipon.jp/h/roji-oku/

※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。