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素材を活かした料理で思い出に残る場を。「箸ずめ」

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四条通の烏丸と河原町の真ん中、にぎやかな人通りの堺町通を少し南にいくと、喧騒から少し逃れた場所に割烹料理のお店があります。箸ずめ店長の上川さんにお話を聞きました。

調理のライブ感を感じてゆったり過ごせる空間

――箸ずめは京都の中心地ともいえる繁華街の場所にありますがいつから出店されたのですか?

現在の場所は2023年2月にこちらに移動してきました。それまでは東洞院の六角の方にありました。立地が良いのもありますが、理想とする店舗の大きさがちょうどよかったことが引っ越すきっかけとなりました。    

外観

――割烹居酒屋とのことですが、どんなお店か教えてください。

箸ずめは割烹、和食と酒、BARなど数店舗を展開しているSOUグループの中の一つで、オーナーの橋詰宗紹が立ち上げた店舗です。現在も店頭で料理を振る舞っています。

私はこちらで店長をしております。 お店のスタイルとしてはお客さんの前で、カウンター越しに調理し、ライブ感を楽しんでもらえる空間です。また2階には個室とテーブル席もあります。

――素敵な空間ですね。

空間にはオーナー橋詰によるこだわりがあり、来ていただいたお客さまと調理や会話によるコミュニケーションを大切にしたいという思いがありました。そうなるとコの字型のスペースをイメージするのですが、縦長のスペースをうまく利用して扇状のカウンターになり、他でもあまりみない箸ずめならではの特徴的な空間になっています。

内装1
一階のカウンター
内装2
二階の個室とテーブル席

――このカウンターに座りながら、どんな料理が出てくるのか楽しみです。

料理は季節の旬によって変わるのですが、鮮魚や野菜を使って職人による技術を駆使し、素材の良さを活かした料理を提供しています。特にブランド和牛「尾崎牛」の逸品や季節によって内容が変わる釜めしなど喜んでいただけています。またこれからの季節だと、おでんですかね。牛すじと焼いた鯛の骨で出汁をとっていて風味も良いのでぜひご賞味ください。

ブランド和牛「尾崎牛」
ブランド和牛「尾崎牛」
釜めし
釜めし

経験していきながら楽しさを実感

――上川さんはどういった経緯でこの仕事に就かれたのですか?

実は特にやりたい事が見つかっていなくて(笑)実家が静岡なのですが、大阪に進学しました。県外に飛び出してみたい好奇心で、親のもとも離れて一人暮らししたいというような感覚でした。

――その気持ちわかります(笑)

さてじゃあどうするというところなのですが、子供の頃から父がよく海釣りに連れてってくれて、釣った後に三枚におろす事などやってたんです。父は釣ることも料理することも好きで、料理人への道は今考えるとその影響かもしれません。

――子供の頃のお父さまと過ごした遊びの時間が影響していたのですね。

そうでした。ただ、当初は中華志望で就職までいろいろ悩んでいて、先輩方に助言も頂きながら考えていました。いずれどの道に進むにも、日本で仕事するなら基本を押さえておく方がいいというアドバイスをもらい和食の道に進みました。

――やがて今の箸ずめで働くことになったのですか?

それはまだ先のことになります。大阪へ進学してそのまま約12年間、料理の道で働いていました。その間に同僚として仲良くしてくださった先輩がオーナーの橋詰でした。30代で独立を目標にしていた彼が、そこを辞め実家がある京都で働き始めました。辞めてからもよく呑みに連れて行ってもらっていて、気にかけてくれて。

――仲良くしてくださる先輩、心強いですね

そう思います。親分肌というか面倒見がいいというか、とてもありがたいです。そんな橋詰が辞めてしばらくは京都の店で修行をしていたので、少し経って独立した時に誘ってもらいました。

調理

――現在働きながら思うことはありますか。

働きながら日々発見もあります、より技術を深めたいとも。また自分の料理を食べていただいて「美味しい」や「ありがとう」の言葉ががやっぱり嬉しいです。初めてきたお客さんがまた来てくだる、続けて来てくださることはやっていてやりがいを感じます。

――感謝の言葉が励みになりますね。そういった中で印象に残ったことなどありますか?

印象的だったのは・九州から来られたお客さんでした。京都にお住まいの女性とお付き合いされていた方で、気に入っていただき何度か来ていただいていました。やがて結婚のご挨拶で訪れ、ご結婚されて二次会でうちを使っていただけたことがありました。それは知らず知らずにその方の大切な歴史の中に、うちの店が組み込んでもらえていること。
とても嬉しく、この仕事をやっていてよかったと思う瞬間でとても印象的でした。

――やり続けているこその面白さ。とても素敵なお話ですね。ありがとうございます。
最後になりますがお伝えしたいことなどありますか?

そうですね、懐石ということで、店構えからも敷居が高いと感じられるかもしれませんが、服装などかしこまらずカジュアルに入ってもらえたら嬉しいです。皆様と料理を挟んで会話ができることを楽しみに待っております。

箸ずめさんのなり立ちや料理、またお客さまとの関係性も素敵でした。調理をしながらカウンター越しに笑顔で話されている上川さん。とても物腰が柔らかい姿が印象的でした。(文/写真:山本)

上川さん

箸ずめ 店長 上川 航央さん

ずっとやれていないですが魚釣りです。最近ではランニングにハマっています。

箸ずめ

京都府京都市下京区堺町通四条下る小石町120
TEL 075-366-4413
定休日 なし
営業時間 17:30〜23:30
https://www.d-heart-sou.com/hashizume/

※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。