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みどりなすメイン画像

スーパーにはない、本当に美味しい野菜あります、八百屋「みどりなす」

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365日、24時間、野菜のことを考え続けて  

先日、SinQで紹介した「河長」さんの向かい側にある、「こうみえて八百屋なんです」の手書き看板。店内には、スーパーでもおなじみの野菜から、初めて見るような野菜まで、多くの商品が並んでいます。八百屋「みどりなす」の店主、田村 嘉章さんにお店のこだわりなどお話を聞いてきました。  

みどりなす店舗の前の田村さん

料理人時代に食べた、蕪(かぶ)に衝撃を受け八百屋を目指す 

――今までいろんな野菜を食べてこられたと思うのですが、一番衝撃を受けた野菜はなんですか?

料理人時代に食べた、辻農園さんの蕪ですね。実は僕、もともとレストランで働いていたんです。そこが素材にこだわるお店で契約農家さんからよく野菜を仕入れていたんですが、中でも辻農園さんの蕪は梨みたいに甘くてびっくりしました。    

――え?蕪が梨みたいに甘いんですか?

そうなんです。生のままサラダにしてお客さんに出していたんですが、皆さん揃って「これは何のフルーツですか?」って聞いてくるんです。それで僕が「実はこれ、蕪なんですよ」って答えると「え〜っ!?」って驚いてくれて。その反応が面白かったですね。 
その後レストランは体調を理由に辞めたのですが、その時、ふと思い出したのが辻農園さんの蕪。美味しい野菜ばかりが集まっているセレクトショップみたいなのがあったら面白いなと思って、八百屋を目指すようになりました。

――店名はなぜ「みどりなす」にしようと思ったんですか?

これにも辻農園さんが絡んでいて…。みどりなすというのは、名前の通りみどりのなすです。変わった野菜って、あまり美味しくないというイメージがあると思うんですが、辻農園さんのみどりなすは、美味しいし、見た目もかっこいい。すべてを兼ね備えている野菜なんですよね。店を立ち上げる前にバンに野菜を積んで、知り合いの料理屋さんに野菜を卸したり、街で売ったりしていたんですが、その時お客さんからお店の名前を聞かれてパッと出てきたのがこの「みどりなす」でした。インパクトがあったのか、お客さんもすぐ覚えてくれたので、気に入って使っています。

みどりなす代表田村さん
店名にもなっている「みどりなす」と一緒に。みどりなすは、少し太めの輪切りにして多めの油でじっくり両面を焼いて食べるのがオススメだとか。実際に食べてみましたが「これがなす!?」と驚くくらい身がとろっとろになって絶品。一人で1本まるごと完食してしまいました! 
みどりなす表の看板
「こう見えて八百屋なんです」の看板が目印。開店当初、近所のおじいさんが「ビューティーショップかと思った」と間違えて入店されたこともあったとか。 

世に知られていない、美味しい野菜をもっと広めたい 

――「みどりなす」さんで取り扱う野菜にはどんなこだわりが?

京都産の野菜を中心に取り扱っています。朝採れたものをお店に並べられるので、新鮮な状態で提供できるんです。あとは、旬の野菜。例えば今の時期(取材時は10月初旬)であれば、冬野菜である大根や白菜は店に置いていません。野菜は旬の時期に食べた方が絶対に美味しいですし、お客さんにも一番美味しい状態で食べてほしいですから。先日もお客さんに「大根は置いてないの?サラダにしたいんだけど…」と言われましたが、サラダを作るんだったら今はこの野菜の方がオススメですよ、と他の野菜を提案させてもらいました。  

――大体の野菜が年中手に入る中、かえって新鮮ですね。スーパーでは考えられません。 

お客さんとしっかりコミュニケーションできるのが、八百屋の強みだと思います。うちではスーパーで見かけないような珍しい野菜も取り扱っていますが、「こうやって食べるのがオススメですよ」って農家さんや取引のある料理人さん直伝のレシピを教えてあげると、皆さんすごく興味を持ってくれるんです。次に来店されたとき「あの野菜、おいしかったよ」と声をかけてくれるのが、とても嬉しいですね。世に知られていない美味しい野菜をもっと広めていきたいです。 

――商品の仕入れにもこだわりはあるんですか?

うちの野菜は、ほとんど農家さんから仕入れています。普通は市場で仕入れるのが主流なんですけどね。お店を立ち上げた当初は右も左も分からない状態だったので、京都市のホームページに載っているエコファーマーさんのリストを見て「畑を見に行っていいですか?」と直接電話していたんです。農家さんからしたら「なんかよう分からん兄ちゃんが来た」って感じだったでしょうけど、皆さん結構ウエルカムな感じで。そうやって知り合った農家さんが、さらに他の農家さんを紹介してくれて今につながっています。今、店では久御山町や八幡の野菜を取り扱うことが多いんですが、これも立ち上げ当初に連絡を取っていたのがその地域の農家さんが多かったから。本当に、ご縁で成り立っている感じです。あとは、直売所や道の駅に行っていろいろ食べてみて、美味しいと思ったら直接会いに行ったりもします。   

――農家さんまで足を運んでいるんですね。

自分で食べてみて、美味しいと思えるものを店に置くようにしています。野菜って作る人によって味が全然違うんですよ。例えば同じトマトでも、「スーパーよりうちで紹介しているトマトの方が絶対美味しい」という自信があります。    

みどりなす商品大江農園のトマト
こちらは大江農園さんのトマト。トマトといえば夏のイメージですが、こちらのトマトは寒くなればなるほど甘みが増し、これから10月末にかけては「恐ろしいほど甘くなる」とか。料理人さんの間でも取り合いになるほど人気だそう。
みどりなす商品のレンコン
「みどりなす」さんには京都産以外のこだわり野菜も並ぶ。写真は加賀のレンコン。夏はシャキシャキ食感でサラダや酢の物にするのがオススメ、これから冬にかけては甘みが増してほくほく食感になるんだとか。 

全国にいる野菜名人が作った野菜を紹介したい

(ここで野菜の配達が到着。どうやらみどりなすさんでは、「KOA便」なるものを利用しているようで…)  

――KOA便とは何ですか?

「Kyoto Organic Action」の略です。綾部や丹後、福知山などで採れた無農薬野菜をまとめて集荷しながら、京都市まで便を走らせているんですよ。農家さんと八百屋をつなげて、京都の農業を活性化していこうと今から2年ほど前に始まったサービスです。京都で無農薬野菜を栽培している農家さんって、普段なかなか出会えないんですが、KOA便を利用していると一度につながりが持てるのですごくありがたいんですよ。八百屋同士横のつながりもできて、情報交換したり、八百屋同士でしか分かり合えないような愚痴を言い合えたり、心の支えにもなっています。 

――無農薬やオーガニックの野菜も取り扱っているとのことですが、お店の看板などではそこまでアピールされていませんね。どうしてですか?

毎日食べてほしいので、僕自身まずこだわっていることが「美味しい野菜を手軽に買える」ということ。美味しくて毎日食べていた野菜が、実はオーガニックだったというのが、僕の理想です。

――これからも京都の野菜にこだわっていくんですか?

実は、京都だけではなく他の地方の野菜も取り扱っていきたいんです。京都には京都の美味しい野菜がありますが、違った土地に行くと京都では採れないような美味しい野菜がたくさんあります。各都道府県でこだわりの野菜を作り続けている「野菜の名人」みたいな人に会いに行って、全国の美味しい野菜を紹介することが夢ですね。 

みどりなす陳列棚
お店を始める前は、バンに野菜を積んで知り合いの料亭などに卸していたのだとか。お店には一般のお客さん以外に、近所で店を構える料理人さんも多く足を運ぶという。 
みどりなす商品陳列の様子
お店の前では秋が旬のサツマイモやカボチャが。さまざまな種類が置いてあるので、味の違いやオススメの食べ方を聞いてみるのもいいかも。 

インタビュー中に、休日の過ごし方や趣味について聞いてみると「仕事が半分趣味みたいなもの」と語ってくれた田村さん。休みの日にはお子さんを連れて、農家さんに足を運ぶこともあるのだとか。また、インタビュー中に到着したKOA便のドライバー、あきらファイヤーさんも途中で会話に加わり、野菜作りの背景を熱く語っていただきました。野菜を愛する人たちの想いがたくさん詰まった八百屋「みどりなす」さんで、ぜひ旬の野菜の美味しさを味わってみてください! (文:高原/写真:木村)

みどりなす代表田村さんプロフィール

八百屋 みどりなす  代表 田村 嘉章さん 

1984年京都市生まれ。大学を卒業後、いとこがオープンしたレストランに就職。その後、大阪、京都の八百屋で働き、2005年に松原東洞院にて「八百屋 みどりなす」をオープン。2020年6月に現在の松原通り高倉へ移転。いつか全国を旅して、その土地の美味しい野菜をお店に並べることが夢。

八百屋 みどりなす

京都市下京区松原通り高倉東入杉屋町278 
TEL 075-708-2818
定休日 日曜日・祝日
営業時間 12:00~19:30
https://mazariko-pore-shon.hp.gogo.jp/pc/