
【PR】天然素材の心地よさを日常に届けたい「ヨアケ」
烏丸通の西隣の通りに位置する綿布問屋 株式会社ヨアケさんを取材して約2年半が経ちました。この間、ECサイト「かねほしや」の運営に力を入れられたり、新規商品を開発されたりと精力的に事業を展開しておられます。そこで今回は、商品開発などを担当する後藤紘之さんに現在進めている企画などについてお聞きしました。ヨアケさんのことをもっと知りたい方は前回の記事をぜひご覧ください。
こだわりは肌に優しい天然素材
――さっそくなんですが、後藤さんのお仕事内容について教えていただけますか?
商品開発やECサイト「かねほしや」の運営、その出荷が主な仕事になります。
――企画とは具体的にどんなことをされるんですか?
その時々で違いますが、例えばECサイトで販売するための新しい生地探しや新しく取り扱う商品の考案などを行います。取り扱う商品はクッションや寝具などのカバーリングが多いです。

――生地の探し方や選ぶ基準はあるんですか?
昔から懇意にしている生地メーカーさんを訪問するかご提案してもらう事が多いです。生地を選ぶ基準としては、天然素材のものを取り扱っているので、それに見合うかどうかを重視して選んでいます。特に肌触りや商品として扱える生地幅かどうかなども確認します。
――天然素材にこだわっていらっしゃるんですね。良さについて教えてください。
肌に優しいところですね。私自身、敏感肌なんですが、天然素材のものでないと肌に合わなかったりするので。その他には天然素材は廃棄時に自然に還るので、環境負荷が低いところも魅力です。綿や麻といった天然素材を大切にする、という考え方は創業当時から大切にしている部分です。
用途に応じて使い分けられる綿や麻
――生地の種類もたくさんあるんですね。どれくらい取り扱っているんでしょうか。
創業以来、太物問屋として綿の白生地を主に取り扱っていて、小巾サイズのものから六巾などのサイズの大きなもの、ネル生地など色々あります。ガーゼはもともと1種類の取り扱い)だったんですが、ECサイトに載せる際に種類が多いとお客様が選びやすいと思い2025年から増やしました。打ち込みが細かいものやざっくりとしたものなど、用途用途で使い分けてもらえばと思っています。

――ガーゼにこんなにたくさん種類があるなんて知りませんでした。ガーゼの種類を増やしたのは今年なんですね。
大阪の泉州木綿というところと昔から付き合いがあるんですが、どんどん需要が減っているこということで、産業貢献にもつなげていきたいと思い取り扱い幅を増やしました。
――そんな経緯があったんですね。先程も少しお伺いしたのですが、ガーゼの違いは薄さになるんですか?
そうですね。目の細かさが違うので、用途によって使い分けてもらうのが良いと思います。これだけ幅があると好みもあると思うので、選択肢は広がるかな、と思います。お客様に提供する前には私達も実際に使ってみて、触り心地や洗濯したあとの使い勝手も確かめています。
――洗濯したあとも確かめていらっしゃるんですね。ガーゼの他にはどんな生地があるんですか?
木綿晒です。この知多木綿も今年から取り組み始めました)。小巾の知多木綿は機屋(はたや)さんも少なくなり取り扱う先も減少傾向にあると思うのでこの産業を盛り上げていきたいという思いも込めて種類を増やしました。

商品企画の魅力、完成品に触れたときの喜び
――先程見させていただいたものは生地だけでも購入出来るんですか?
はい。もちろん生地だけでも販売しています。販売先としては昔から取引のある呉服屋さんなどやECサイトでも取り扱っています。生地売りのほかに寝具カバーなどの商品を開発してECサイトで販売しています。
――その商品開発も後藤さんの担当なんですね。
そうですね。前回の取材では手ぬぐいなどの染め物を中心に取り上げてくださったと思うのですが、その商品開発も私の仕事のひとつです。
――なるほど。最近ではどんなものを作られましたか?
カバーリング商品になるんですが、ノーアイロンで手軽に使えるクッションカバーを触り心地の良いガーゼやドビー織の生地を使って作りました。色は風合いなどを念頭に使いやすいナチュラルカラーにしぼって展開しています。

――どれも素敵な色味ですね。どれくらいの頻度で商品開発をされているんですか?
季節に合わせて作りたいと思っているので、年に2回ほどですね。弊社のターゲット層に合わせて企画を立てたり、アイデアを出したりしています。

――商品企画の楽しさはなんですか?
たくさん手に取ってもらえたと実感したときは嬉しいですね。あと、いろんな生地に触れられるのも楽しさのひとつです。企画を立ててイメージしたものが想像通りに出来上がるかどうかも魅力です。想像通りに出来上がったらもちろんですが、染めや縫製の職人さんのアイデアを取り入れてさらに良くなったりするともっと面白い。また、手に取りやすいアイテムにすることで、皆様に天然素材の良さを身近に感じてもらえて、レビューなどのコメントなどでいい評価をいただけたときは非常に嬉しく感じます。(笑)
――後藤さん自身、もともとものづくりがお好きだったんですか?
そうですね。漠然とですが、自分が手掛けたモノを社会に出していきたいという想いはありました。最初に勤めた印刷会社では印刷物以外にも外装も扱っていたので、商品を入れるパッケージ形状の提案などを行っていて、その後のアパレル雑貨の会社では、バイイング業務とOEM事業をしておりました。そのころから本格的に企画に取り組み始めて、面白さを知りました。
――お話を聞いていて好奇心旺盛な方なんだなって感じました。
そうですかね(笑)。チャレンジ精神はありますし、いろんなことにアンテナは張っていますね。商品企画に使えるようなネタをいくつかストックしておいて、いつか使えるだろうって温めています(笑)。
――ちなみに商品はECサイトでのみの販売になるんでしょうか?
主な販売先はECサイトですがポップアップショップでも購入が可能です。2025年11月14日〜16日は大阪の枚方T-SIEでポップアップイベントを開催予定です。伊勢木綿を使ったがま口小物やステーショナリー商品などをご用意しようと思っています。


京都をはじめ各地の生地を広めていきたい
――クラウドファンディングにも積極的に参加されているとお聞きしました。
染め物関係では3回ほどやりましたね。いまは滋賀県の名産「近江麻」を使ってオリジナルの寝具カバーを作って商品化したいと思っています。そのためにクラウドファンディングを進め、皆さんの反応を確かめたいと思っています。高級品でもある近江麻は肌触りも良くて、むれにくくあったかいという良さがあります。冬場でも使って欲しいので年中使える寝具カバーを企画したいですね。
――色々精力的に動かれているんですね。他に企画されているものはありますか?
三重県の伊勢木綿とのコラボ企画も進めています。伊勢木綿って肌触りも良いし、独特の色味や風合いも素敵なんですよね。でも、製造されているところが一軒しかなくて…。もう少しアピールしていきたいなと考えているんですが、生地幅が決まっているので出来る商品が限られていて、なおかつ原価も考えないといけないので、どんな商品が良いか検討中です。

――知多木綿の復刻のお話でも感じましたが、地場産業を守っていきたいという想いがあるんですか?
人生をかけてとまではいかないですが、もちろん、地場産業を盛り上げていきたいという想いはあるので、生地の良さを伝えるためにはどんな表現や商品が良いかなどを考えるのは楽しいですね。伊勢木綿、近江の麻など、全国にいろいろ産地があるので、各地の生地を使ってものづくりを継続させていきたいです。うちのECサイトに来ると各地の生地を使った小物などが手にはいる。なんていうのも楽しそうかな、と思っています。あとは、京都の職人も減っているので、積極的に活用していきたいです。ゆくゆくはそういった職人さんの技も守っていけるようになりたいですね。そのためにうちが出来ることは、きちんとモノの良さを丁寧に伝えて販売していく事かと思っています。
実際に生地を見たり触れたりしながらお話を伺いました。天然素材の心地よさというのを肌で感じ、触り心地の良いものに囲まれながら生活をするのは素敵だろうな、と思いました。ヨアケさんのポップアップストア情報などはホームページやInstagramなどでご確認ください。(文:西井、写真:山本)
株式会社 ヨアケ
075-351-8987
京都市下京区諏訪町通松原下る弁財天町328
定休日 土曜日・日曜日
営業時間 9:00~17:30
http://yoakeya-honten.jp
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。