漢方も調剤もおまかせ!昭和レトロな街の薬局「高倉薬局」
ベテラン揃いのアットホームな街の薬局
高倉通りに、大通りでよく見かける全国チェーンのドラッグストアとは一線を画す、懐かしくてちょっぴりレトロな薬局があるのはご存知でしょうか?その名も「高倉薬局」。黄色いテントのお店です。軒先には懐かしの象のキャラクターも。口コミで来られる方も多いとか。調剤だけでなく漢方薬も扱う薬局だそう。ということで管理薬剤師の田邊敦子さんにお話を伺ってきました。
昔も今も家族一丸で
――お店の前を通ることがよくあって、前からお店のこと、気になっていたんですよ。いつ頃から薬局を開業されているんですか?ご家族でお店をされているんですよね。
最近では珍しい家族経営の「昭和レトロ」な店でしょう。現在基本的には私の父母、叔父、そして主人と私でお店をやっています。元は祖父が兵庫県の的形で薬局を始めたそうなんですが、戦後、まだ母が小さい頃に京都に移ってきたそうです。それから薬剤師の母が祖父の後を継ぎ、現在もお店を取り仕切ってくれています。
――家族一丸となってお店を長年されてるんですね。身内ならではの遠慮のないやりとりもあったりして。
ありますね。店内のアットホームさが伝わって、常連のお客様に「みっちゃん(母)」「よっちゃん(叔父)」「あっちゃん(私)」と呼ばれることもあり、嬉しい限りです。
――敦子さんもお母さまと同じ薬剤師をされていますが、小さい頃からなりたかったのですか?
そうですね。母の働く姿に影響を受けたところもあります。また母は仕事で忙しくしていましたから、私はいわゆるおじいちゃんおばあちゃんっ子でね。おかげで小学生の頃の好物は「ひじき」なんていうような年寄りじみた子供だったんですけど(笑)、祖父母に「後継ぎだ」とずっと言われていたので、薬剤師になる以外は思ったことがありませんでした。
漢方入門は、まず一対一の対話から
――市販の薬や病院の処方箋受付の他に、漢方薬も扱っておられるんですね。おすすめの漢方薬ってありますか?
う〜ん、漢方薬はその人その人に合わせて処方するものなので、一概におすすめは言えないんですよ。例えば血の巡りが悪いとお悩みの人がいたとして、その人が痩せているか、がっちりしているかでは処方する漢方は違いますし、直接その方の状態やお顔を拝見しないとわからないんです。なので一度来店して欲しいですね。
――意外です!漢方薬って体に優しいのかと。
漢方薬は服薬される方の体質によって、その成分が合わないこともあるので、注意が必要だと思います。ですから体質にあった漢方薬を選んでいただくために、うちに漢方相談で来店していただくと、初めにその方の生活リズムや食生活など、いろいろ伺います。お話から体質を図った上で、お悩みの症状を直接お聞きします。うちでは特にお客様との対話をとても大切にしています。対話することで、お悩みや症状をより理解でき、その方の体質もわかって、その方にあった漢方薬を提案させていただけるのだと思います。
――お話を聞いていて漢方薬に興味が。どのように相談したらいいでしょうか?
興味を持っていただくことは嬉しいですね。まず、「漢方に興味あるんですけど…」と店に足を運んでいただければ。直接お会いしたいです。漢方は長い歴史があり、とても奥が深いので、学ぶことに尽きるということはないのですが、母は漢方に精通していますよ。店の品揃えも豊富ですので、ぜひ相談にいらしてください。
でも漢方に固執せず、その症状に応じてサプリメントなども飲んでみるのも手ですし、漢方とサプリメントの『いいとこどり』もおすすめしますよ。
ちなみに、私も母も「認定薬剤師」なので、漢方以外の薬でもぜひご相談ください。
※認定薬剤師・・・研修認定薬剤師制度のもと、所定の単位を取得、申請し認定された薬剤師。
地域密着ならではの細やかな対応で
――最近は薬の配達されることもあるとか?
はい。自転車で行ける範囲でご要望があれば、配達させていただいています。これとは違って『在宅』という業務もしています。『在宅』というのは、ただ単に薬の配達なのではなく、医師やケアマネージャーの依頼を受けて、薬剤師が在宅医療の必要な方のお宅に薬をお届けしたり、薬の説明をしたり、薬の飲み残しがないかなどの管理をすることなんです。高齢化社会において、最近増えてきていますし、かなり重要な業務となってきています。
――最後に、他店には負けないということはありますか?
そうですね、うちは病院の前にある薬局ではないので、いろいろな病院やクリニック、診療所の処方箋を受け付けています。ですから薬の備蓄数には自信があります。
あとは「地域密着型」であることでしょうか。街の薬局ならではのきめの細やかな対応で、お客様に喜んでいただきたいし、できるだけのことはしたいですね。
終始とても明るく笑顔が印象的で、冗談を交えながらお話ししていただいた敦子さん。敦子さんだけでなく、ご家族もアットホームに接してくださることが、口コミのお客様が多く来店されることに繋がるのでしょう。身近なかかりつけの薬局として、これからも頼りにしたいですね。(文:上山/写真:山本)
高倉薬局 管理薬剤師 田邊 敦子さん
1973年京都市生まれの地元育ち。1996年に薬剤師国家試験に合格。好きなことは、ときどき近所のカフェにランチをしに行くことと、日本酒で晩酌をしながら懐かしい漫画を読むこと。特に「サザエさん」の世界観や文化が好きで、何度も読み返しているとか。
高倉薬局
京都市下京区高倉通綾小路下ル神明町230-6
TEL 075-341-9541
定休日 日曜日・祝日
営業時間 9:30~19:00
http://www.kyotocity.com/takakura/
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。