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暮らし
かよくらふと田中嘉代さん

可愛いグッズに癒される!イラストレーターが営むショップ「かよくらふと」

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思わず顔が綻ぶ可愛らしいグッズに癒されます 

気軽に娯楽を楽しむことが難しい昨今。生活の中で癒しを感じたい!と思うことはありませんか?今回取材させていただいた「かよくらふと」さんは、イラストレーターの田中嘉代さん自らがデザイン・制作したグッズが並ぶ小さな古民家ショップ。グッズ制作やお客さまへの思いなどを伺いました。 

かよくらふと店内の棚に雑貨が並ぶ
かよくらふと店内の雑貨たち
古民家の引き戸を開けると、紙小物を中心としたグッズが出迎えてくれます。

お家に遊びに来るような感覚で来て欲しい   

――落ち着いた素敵な空間ですね。古民家にお店を開こうと思ったきっかけは?

イラスト制作しながら店舗の運営をしたかったのでなるべく落ち着いた場所がいいなと探していて、古民家にたどり着きました。グッズが完成したらすぐ横の店頭に並べられるので気に入っています。     

――それは便利ですね!

そもそもあまり社交的な方でなく今では考えられないくらい接客も苦手だったんですけど、グッズを見てニコニコしてくださる方に声を掛けてみたらグッズを通して初対面なのに一緒に大爆笑できたりとか。グッズは私のコミュニケーションツールにもなっていますのでお客さまとの繋がりが直接持てる瞬間が好きですね。寒い時期は扉を閉めてるんですけど、中が見えなくて入りにくいだろうに訪れてくれる方が沢山いらっしゃって嬉しいです。お家に遊びに来るような感覚で来て欲しいですね。

可愛いだけじゃない!いつでもそばに置いておきたい、お客さま目線で作られたグッズの数々 

――嘉代さんのイラストは日常に溢れているモチーフや温かみのあるタッチが印象的ですが、コンセプトなどありますか?

コンセプトが無いことがコンセプトですね(笑)。生活の中に置いてもらっても邪魔にならず、たまに見て使って楽しめるような存在になれたらいいなと。いつも来てくださるお客さまも、引き出しに閉まってたまに取り出しては癒されて、また閉まってを繰り返しているみたいで。それはそれで嬉しいですね。 

――可愛いものに囲まれて暮らしたい方には響きますよね。どんなことを考慮して制作されていますか?

お客さまが使ったり物を贈ったりする時のことを妄想して、こうしたら喜んでもらえるかな?というものを作ってます。例えばポチ袋なら、折らずに入れられるものや二つ折り、三つ折りなどそれぞれの用途や好みに合うように種類も豊富にしたり。これは小さめの熨斗紙なんですけど、ささやかなお返しなどを渡す時にラッピングするまでもないものでもくるっと巻くだけでギフト感が出ます。  

あとは、近頃手紙って書く機会が減っていると思うんですけど、大きいレターセットだと沢山書かなきゃいけないのでハードルが高いですよね。なのですぐ書いて渡せるような小さいレターセットを作ってます。

お札を折らずに入れられるポチ袋
お札を折らずに入れられるポチ袋。大きめサイズで折口も珍しい三角形です。※画像のものは三つ折りサイズです。
罫線が糸電話になっているミニ便箋
手軽に書けるミニ便箋たち。よく見ると罫線が糸電話になっていてキュンとしました。
ぽち熨斗
ぽち熨斗。手ぬぐいに巻くだけで一気に特別感が!色々と使えそうですね。

――お客さま目線で制作されているからこそファンも増えるんですね。人気の商品などありますか?

ポストカードですね。人に送るだけでなく、自分が飾って楽しむこともできるからでしょうか。モチーフはどこへ行っても カモネギ、ほとほとさん(仏像のキャラクター)、オオサンショウウオがダントツ人気です!    

カラフルで様々なモチーフのポストカードの数々
人気No.1!カラフルで様々なモチーフのポストカードの数々。
かよくらふと人気の3柄
人気の3柄。左からほとほとさん、オオサンショウウオ、カモネギ。

――地域で人気に差が無いんですね!イベントでの販売も頻繁にされていますよね。

県外の百貨店のイベントとか、じっくりお客さまと話せそうな規模のものを選んで出てます。イベントに出て知名度を上げてからお店を開く方が多いと思うんですが、私はお店を開いてからイベントに参加するようになりました。県外のイベントに出た後は実際に店舗に足を運んでいただいたり、通販で購入していただいた時に「〇〇のイベントで知りました!」と言ってくださる方も多くて嬉しいです。   

――種類も沢山あって悩んでしまいますね。

今でこそラインナップが沢山あるんですけど、初めは自分で描いて印刷して作れるもの、ポストカード、レターセット・ポチ袋・熨斗紙の4アイテムだけ売ってました。活動していくうちに色々な方と知り会いになって協力してくださる方も増え、布小物や御朱印帳、革小物など作れるようになりました。当初考えていた「生活に必要なアイテムを沢山作りたい」という夢が着々と叶っていってる感じです。    

――個人的に欲しいんですけど…ぬいぐるみとか作りませんか?

長ネギ付きのカモのぬいぐるみとか可愛いですよね。一緒に作ってくださる方募集中です!こんな風に会話の中から商品化へ進むこともよくあるので、何でも気軽に言ってみてください(笑)。     

――かよくらふとのおすすめポイントは? 

店舗としては男性一人で入るにもハードルが低いところ。男性一人のお客さまに声をかけてみたら贈る相手が女性らしく、「可愛いのを求めてきた」と。女性が多い店だと入りづらくても、ここだったら入りやすい。そういう男性にもオススメです!店主と一対一になるというプレッシャーはあるかもしれないんですけど(笑)。 
そう言えば一度だけ、ラブレターを書くと言ってレターセットを購入しにいらっしゃった男性のお客さまがおられました。

――え!?ラブレターですか!? 

めちゃくちゃ嬉しかったです。相手の好みもあるので柄の選定は悩まれていたようですが、相談を受けて頑張って二人で選びました。結果報告には来てくれなかったんですけど…気になります(笑)。上手くいってますように! 

嘉代さんイラスト制作中
線はアナログ、着色はPCで行うことで温かみのある雰囲気に。

悔しさをバネに作り上げた世界観  

――イラストレーターを志した時の経緯やイラストへの思いなど教えてください。 

子供の頃から絵を描くのが好きで便箋など集めたり、自作の小物などを作って遊ぶのが好きでした。 
それからデザインを学び、グラフィックデザイナーになって文房具メーカーに入社しました。デザインとイラストの仕事を両立していたんですけど、仕事としてのイラスト制作はほぼ未経験だったんです。そこで自分で可愛く描けたと思っていたイラストを上司に凄くダメ出しされたことがあって…根に持ちつつ感謝しております(笑)。その時の悔しかった気持ちは未だに自分の中にバネとして残ってますね。
そこからイラストの仕事の経験を積み、イラストで独立したい気持ちが強くなりました。可愛いもの好きな方って好きなキャラクターのグッズばかり集める人もいますよね。働くうちにそれが自分の描いたイラストだったら嬉しいなって気持ちが芽生えましたね。世界に一人くらいは私の作ったグッズで部屋中埋めてくれる人が居たらいいなって(笑)。

――今後の展望や夢はありますか?

1つは全国に私の委託先…ショップを構えるというには大きい目論見なんですけど、かよくらふとのグッズが買えるお店が各都道府県に1件でもあれば嬉しいなと思うんです。今は大阪や東京、静岡などに置いてくださっているお店はあるんですけどまだ全然ですね。遠方のイベントに行った時にそういった出会いもあればいいなと思いますね。 
2つめは洋服のブランドを作りたいです。自分のイラストで生地から作ってワンピースやスカートを作 れたら嬉しいですね。夢が膨らみます!

可愛らしいグッズに囲まれてお話ししていたらあっという間に時間が経っていました。ここには載せきれない程たくさんのグッズが並んでいるので、きっとあなた好みのものが見つかるはず!皆さんも是非お家に遊びに行くような感覚で訪れてみてください。これからも可愛いイラストをたくさん生み出してほしいです! (文:木村/写真:加藤)

イラストレーター田中嘉代さん

イラストレーター 田中 嘉代さん 

京都生まれ京都育ち。グラフィックデザイナー時代文房具メーカーでデザインとイラスト制作の仕事を経て、2010年より古民家に店舗を構え自作の紙小物や布小物を販売。自身がときめくモノコトをイラストにし、つくり手の等身大の姿が伝わるよう作家自身の名前を店舗名に。音楽が好きでライブで体を動かすのが楽しみでもあり唯一の運動。星野源の曲に影響され最近マリンバを習い始めた。

かよくらふと

京都市下京区堺町綾小路下ル綾材木町200-6  
TEL 075-344-8162
定休日 金・土・日、時々平日
営業時間 13:00〜18:00
https://www.creema.jp/c/kayocraft/item/onsale  

※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。