若きパティシエがつくる見目麗しの手毬シュークリーム「amagami kyoto」
バリスタチャンピオンも認めた、新進気鋭のパティシエ
仏光寺・烏丸を東に入ってすぐの路地を上った、どんつきにある「amagami kyoto」さん。今年の7月に開店したばかりのお店には、なんとも可愛い手毬サイズのシュークリームが! パティシエの駒井さんにお話を聞かせていただきました!
シュークリームでたくさんの笑顔を
――ケーキでは無くてシュークリーム専門店なんですね?
最初はケーキ屋さんを考えていたんです。ただこの界隈はケーキ屋さんも多かったので、お店のオーナーの岡田とともにどうしようか話していたんですね。オーナーが洋菓子の中ではシュークリームが一番好きということもあり、シュークリームの方向になりました。
それとamagami kyotoを経営している会社名が「Niatto京都」と言いまして、従業員もお客さんも笑顔でいてほしいということからつけたのですが、シュークリームは老若男女好きな方が多いので、万人受けを考えてたくさんの笑顔が見れるのではないかと思い、シュークリームに決まりました。
――マスカットやいちじくのシュークリームが並んでいますが、季節ごとの味があるのですか?
そうですね、季節ごとのフルーツを使用して期間限定でお出ししています。夏はピーチを使い、8〜10月末辺りまではマスカット・いちじくなどを使っていますね。
あとは、通常メニューのコーヒー味は普段はフォンダンという砂糖掛けをしているんですが、夏なのでゼリーにしてさっぱりした味わいにし、季節にあったものをお出ししています。
他にも今後はピスタチオ、ほうじ茶なども考えています。いつ来ていただいても楽しめるように、試行錯誤していますね。常時8種類、季節によっては10種類ほど用意しています。
試行錯誤することの楽しさ
――店名amagami kyotoの由来を教えてください
由来はですね、甘いものの神様=甘神というのと、本来の甘噛み、という意味合いがありますね。岡田オーナーが昔から考えていた名前です。
――オーナーの岡田さんは有名なバリスタさんなんですよね。どうやって出会ったんですか?
そうなんです。オーナーの岡田は、ジャパンバリスタチャンピオンシップで優勝経験もあるバリスタなんですよ。 彼は四条と嵐山で Okaffe kyoto というカフェを運営していて、私はそこの常連客でした。コーヒーは好きですが、特別熱狂的に好きというわけではなかったんです。ただ、岡田さんがいるあの場所が楽しくて、前に勤めていたところが近いのもあり同僚とよく行ってました。そこで一緒にやらないかと声をかけてもらいましたね。
――amagami kyotoのパティシエになるまでの経歴は?
浪人して大学に入ったのですが、在学中にバイトとして某有名洋菓子店で働いていたんです。最終的には、栄養士になるような学科だったんですが面白く無くて辞めて、改めてその洋菓子屋さんに就職することになりました。
その後は、英語の勉強とお菓子の勉強も兼ね、その会社を一度退社してカナダのトロントへ。そこからお菓子屋ではなく、レストランで勤めていました。有名なレストランで忙しかったのですが、1年半ほど勤務しそれから帰国しました。帰国してからしばらくして、新店舗のお話をオーナーからいただいてたので、半年ほど世界的に展開しているホテルで働いたりしてましたね。変わった経歴ですが、今まだ23歳なんです。
――え?まだ23歳なんですか?ものすごい経歴ですね!
いえいえ、たまたま入れたところが多いんですよ。その後は今年の3月にこの店をオープンする予定だったのですが、コロナの影響もあり7月のオープンまでオーストラリアに旅に出たり、試作をいろいろ考えたりしていました。
――難しいタイミングでしたね、でも有意義な時間の過ごし方ですね。お店を始めて、何が一番楽しいですか?
お客さんの笑顔を見たりするのもそうですが、キレイなものを作るのは好きですね。一度も料理系の学校に通ったことはないのですが、たくさん試行錯誤してるうちに出来てくるんですよね。それが楽しいですね。
――調理学校に行ってないんですね。なのにこんなキレイでおいしいシュークリームが出来るんですか?すごいですね!
そんなことないんですが(汗)。色々と本を読んだりネットを見たり、ケーキ屋さんに食べに行ったり、ほぼ独学です。昔働いていた洋菓子屋さんのノウハウも大きいと思います。
――この先いろんな可能性が残されていますね
そうですね、何年後になるか分からないですがゆくゆくは海外に出たいですね。ここから色んなことを発信することも可能ですし、今はamagami kyotoを広げて行きたいですね。
――ずっと気になっていたのですが、壁に描かれたイラストかわいいですね!
スタッフの友達でもある 南 夏希 さんというイラストレーターさんに描いてもらいました。めっちゃかわいい絵を描かれている方なんです。店内と外観に写真スポットとなるように大きなイラストを用意しています。ちなみに名前は、あまがみちゃんって言います!
夏希さんにはお店のタイルの色とかも決めてもらいました。イラストとリンクしててすごく良い感じで好きですね。
――休みの日とかの過ごし方はどうしてますか?
昨日は寝てましたね。普段は、なるべく外に出たいタイプなので、スイーツ巡りなんかをしていますよ。休みの日は、遊びたいし休みたいしで忙しいです(笑)。長期の休みがあれば海外に行きたいんですけどね。海外好きなんで。
――英語は堪能なんですか?
昔働いていた海外のレストランに日本人がいなかったので、英語ばかり話しているうちに、話せるようになりました。アメリカを横断したこともあります。8千キロですかね。ワシントンからテキサスを通って16日ほどかかりました。あとは映画好きですね。マーベル系のをよく見ます!
取材の最初から最後まで、丁寧な優しい口調でお話しをしていただき、笑顔がとても印象的でした。作り手の気持ちが現れているのか、シュークリームも1つ1つ丁寧に作られており、 1つ2つと食べるごとに笑顔になっていきます!また、季節ごとに更新される、季節のシュークリームが楽しみです!ぜひ足を運んでみてください! (文:奥谷/写真:木村)
amagami kyoto シェフパティシエ
駒井 惇希さん
大学時代に飲食店でサービスを勉強する傍ら、パティシエに憧れプロの道へ進むことを決意。京都のパティスリーで基礎を学んだ後、海外のお菓子づくりや文化を学ぶため、単身カナダへ。
トロントで最も忙しいレストランと言われる有名レストラン”Oliver & bonacini”の”Lena restaurante”にディナータイムのペストリーシェフとして入社し、メニュー開発などに取り組む。そこで海外の生活様式や文化、製菓技術を大いに学ぶ。菓子づくりの探究のために訪れた都市はカナダ、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、30都市以上。
帰国後、”amagami kyoto”のパティスリーシェフに抜擢される。
amagami kyoto
京都市下京区仏光寺通烏丸東入ル上柳町315-11
TEL 075-351-2011
定休日 木曜日
営業時間 11:00〜18:00(LO 17:30)
https://amagami-kyoto.com/amagami/
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。