路地の奥に…SNSで話題のまん丸たい焼きのお店「あまいろ」
天草発のものばかり! ルーツなどを聞いてきました。
たい焼きってどんなもの?と聞かれたら、「頭と尻尾があり鯛の形をした茶色い生地で餡を包んだもの」と答えると思います。でも「あまいろ」さんのたい焼きは丸いんです。そしてかわいいんです。路地裏で静かなホットスポットとなっている「あまいろ」の店長井上さんに話を聞いてみました。
天草への想いがつながる
――起業のきっかけを教えてください。
もともと天草出身のイラストレーターのマネージャーをしていました。ギャラリーを天草に作ろうと思い会社を立ち上げました。仕事で天草に行く機会が多くなり、天草が好きになりました。京都に事務所があったのですが、京都から何か天草のものを発信できないかと思ったのがきっかけでした。それで周りに天草のアンテナショップをしたいと話していたら、うちのたい焼きどう?コーヒーどう?などお話をいただき、私自身が甘党で、たい焼きが好きで、しかも普段からたい焼きにはコーヒーが一番合うと思っていたのでたい焼きとコーヒーのお店を立ち上げました。
丸いたい焼き × 深煎りコーヒー = あまいろ
――たい焼きと天草にどんな関係があるんでしょうか?
天草ではたい焼きが変わっていて、丸いのが当たり前だったんですよ。天草にある、たい焼きカフェまるきん製菓さんからレシピを教えてもらい フランチャイズという形で、たい焼きをお出ししています。
まるきん製菓は一度惜しまれながら閉店してしまったのですが、ご近所の有志たちが力を合わせて復活させたんですね。お店ではミックスが一番人気があるのですが、餡自体は私のこだわりで、カスタードに合うように選んでいます。
――コーヒーにも天草への想いが?
コーヒーも天草で焙煎したものを仕入れています。ブラジル・グアテマラの豆がお気に入りでそれをブレンドしたもの、とくに深煎りにローストしたものが好みで、たい焼きに一番合うと思い選びました。天草の工場に行った時は浅煎りなどもあったのですが、これがベストやと思い発注しています。
京都は美味しいコーヒーがいっぱいあるのですが、うちは深煎りのブレンド1本でいってます。
――店名の「あまいろ」の由来は?
天色という伝統色があり水色に近い色なんです。もともと水色が好きなのもあり天色=「あまいろ」ですね。実は他にもたくさんの意味合いがあるんです。天草の天や、たい焼きが焼きあがった時の色が亜麻色(あまいろ)だったり、甘色だったり笑。天草市の市の色も、青をつかったりしてるんですよ。
――天草四郎をモチーフにしたイラストもかわいいですね。
イラストレーターさんは奥さんの学生時代の知り合いに描いてもらいました。親しみを込めてゆるく描いて欲しいとお願いしたのですが、思ってた通りのイラストができてきて1回でOKをだしました!
――なぜ四条という繁華街で路地奥に出店を?
四条に開いたのは、ご縁があって。街中で静かなところが少ないので、ゆっくりしてもらえるよう。路地奥になるので静かにやっていきたいですね。
あまり情報誌には出していませんが、Instagramでカップの上にたい焼きを乗せたのがあがってからインスタ映えしたのか、この細い路地に行列ができるほどになりました。
――普段から甘いものを食べてらっしゃるんですか?
スイーツが大好きで、普段からちょくちょく食べに出ています。作る方より、食べる方が本当は好きです(笑)。
甘すぎるあんこがたくさん入っている今川焼きより、たい焼きは餡が控えめで尻尾などで、口直しができるところも好きですね!
――ポリシーは?
ポリシーとしてはお客さんに喜んでほしいので、いい加減なことをしない。生地やカスタードも、まるきん製菓のレシピを守り毎日作っております。
お客様に気に入ってもらえるお店にしていきたいと思っています。お子さんなどもよく来られて、喜んでもらえるのが一番嬉しいし、支えとなっていますね。これからもたくさんのお客さんの笑顔を見れればと思います。
人波が多く喧騒とした四条とは思えない、閑静な路地奥にあるお店。深煎りコーヒーとよく合う、甘すぎないかわいい丸いたい焼き。本当に癒されます!四条烏丸でホッと落ち着きたい時は、ぜひ足を運んでみてください。夏はアイスクリームにコーヒーをかけたアフォガートも楽しめます。 (文:奥谷/写真:木村)
あまいろ 店長 井上 智雄さん
1970年生まれ、京都出身。天草に魅了され、2018年京都に天草のアンテナショップとしてあまいろをオープン。甘党でコーヒー好きのため、休みの日は甘いものの食べ歩きをすることも。
あまいろ
京都市下京区釘隠町242
定休日 火曜日(第2・第4)・金曜日
営業時間 11:30~19:00
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。