1. HOME
  2. カルチャー
  3. 京町家で仕事をしたい人必見!コワーキングスペース「京創舎」
カルチャー
京創舎メイン

京町家で仕事をしたい人必見!コワーキングスペース「京創舎」

カルチャー

まるで一軒家の中にみんなでシェアして働いているかのような空間 

異なる職業や仕事を持った人たちが同じ場に集まり、作業場をシェアする「コワーキングスペース」。数年前はまだまだコワーキングスペースが珍しくかった頃、佛光寺の南側に「町家」をリノベーションした「コワーキング∞ラボ京創舎(きょうそうしゃ)」ができました。当時のことなど、館長の高橋さんにお話を聞きました。 

京創舎入り口

町家のコワーキングスペースができたいきさつ

――町家がコワーキングスペースになっているのは珍しいですね。なぜ町家をコワーキングスペースにしようとしたのですか?

現在ここの館長をしているのですが、僕は京町家の住居改装を手がける不動産会社「八清」に所属していて、町家のリノベーションを模索していました。その時、空き家となったこの町家の活用法についてご相談をいただきましたが、条例的にこの場所がお店や宿を出すには厳しく、効果的な活用ができませんでした。事務所であればそれにあたらないのですが、もっと新しくて有意義な使い方はないかと思案して色々探していたところ、コワーキングスペースとして活用することを思いつき、ご提案に至りました。    

京創舎スペース

――限られた条件がきっかけだったとは思うのですが、提案が形になってよかったですね。

ありがとうございます。当時コワーキングスペースは、東京でだんだん増えて人気になっている状況でした。京都ではまだまだ「コワーキングスペース」という言葉自体も浸透していない段階でした。  

――コワーキングスペースが珍しかった時代なのに、町家を利用するのが面白いです。 

それに近しい形のリノベーションでシェアオフィスなどに活用する形は2件ほど存在していたのですが、コワーキングスペースとして利用するには当時は珍しかったと思います。それに交通の便などに恵まれたこの地で展開できたのはとても幸運でした。  

京創舎スペース

みんなでつくる空間を大切にしたい高橋さんの想い

――「京創舎」の名前の由来はなんですか?

ここのコンセプトにもなるのですが、共につくる「共創」からきています。「スタッフ」も「利用者」もここにいる人たちが共に創っていこうという想いから始まり、「京都」にちなんでこの名前になりました。   

京創舎内観

――利用する当たって何か決まり事などはありますか?

ここの運営にあたって、運営側が用意したものをお客さんが利用するというのではなく、ルールややりたい事、場所自体もみんなで共に創っていくのが前提としてありました。例えばお昼ご飯などで共用のお皿を使った場合、運営スタッフに片付けを任せるのではなく利用者本人が洗ったりしていただいてます。それには理由があって、利用者も関わることによって距離を作らない関係を大切にしています。それが運営当初から大切にしている、共に創る事だと考えます。 

――コミュニティーとしての場所。運営にあたり高橋さんの思いがとても詰まっていますね。

「場所」とは有機的なものだと思っています。今の状況や利用している人、スタッフも時間とともに変わっていきます。ガッチリとルールを決めておくのではなく、その時々で判断していくのが自然なものだと思っています。 

――それはここをつくると決めた時から決めていたのですか?

そうですね。そこはできるだけブレずにやっています。よく利用者さんに「居心地がいい」や「使い勝手がいい」と言っていただけるのはそういった部分があるからなのかなと思っています。 

――写真やSNSで利用者のみなさんの楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。

そのあたりの場づくりは常々気にかけています。利用するにあたって楽しい雰囲気の場所であるといいなぁと思っています。 

――新しく利用する人でも輪に入りやすい雰囲気を感じます。

コミュニティは出来上がっていくと閉鎖化しがちな部分があるので、すでに利用いただいている方も、新しく利用される方も仲間に入りやすそうな雰囲気になるように日々考えています。  

まるで一軒家にいるかのような空間

――台所や座敷など家にいるような雰囲気ですね。

ここの大きな特徴でもあります。町家ならではの空気感ですねってよく言われます。今取材をしているここの座敷なんかは人をダメにする場所だねーって言われるんですけどね(笑)。  

京創舎スペース

――ビーズクッションなんかもあって、思いっきりリラックスしちゃって仕事するよりくつろぐ場所ですね(笑)

そういった部分も魅力の一つだと思ってます(笑)。気分転換にくつろげるなんて最高でしょ? 

――過去の写真を見て、イベントなどもあって楽しそうです。

現在は状況的にできないのですが、書き初めやイングリッシュナイトなどのイベントもやっていました。これも利用者さんの声から発案があってスタッフとともに展開しているんですよ。こういったことも「京創舎」として大切にしているコミュニケーションのきっかけの作り方です。  

京創舎集合写真

――毎月8のつく日が一般開放の日なんですね。

そうです。これもコミュニケーション作りの一環で「京創舎」を作った八清にちなんで毎月「8」のつく日を一般の方にも利用いただけるようにしています。   

取材中も談笑スペースの方から休憩の合間に利用者やスタッフの方々が楽しそうに話されている声が聞こえました。創業当初から高橋さんが大切にされている、共に創る「共創」というコンセプト。利用者もスタッフもみんなで作り上げていく空間が居心地よく感じました。日々の暮らしの中でプライベートな時間も大切にし、心にゆとりを持って働けるのではないかと感じています。  (文・写真:山本)

京創舎高橋宏太さん

コワーキング∞ラボ京創舎 館長 高橋宏太さん

1984年生まれ。静岡県出身。東京や静岡でコミュニティーに関わる仕事を経て不動産会社八清がコミュニティーマネージャーを募集していた縁で京都で働く。趣味は昔から部活でもやっていたサッカーやフットサル。お酒にまつわる料理づくり。ラーメン巡り。コーヒー焙煎。山登り。旅。ほかいろいろ。新しい事が好き。新しい仕組み、技術、ビジネスの形など。

コワーキング∞ラボ京創舎

京都府京都市下京区高倉通高辻下る葛籠屋町519
定休日 なし
受付時間 10:00〜17:00
https://kyososha.jp/
Mail:Webの応募フォームより
※電話でのお問い合わせは受け付けておりません。 

※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。