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カルチャー
上羽絵惣スタッフの皆さん

老舗の絵具屋が作るみんなに優しい使い心地の胡粉ネイル「上羽絵惣」

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色合いとネーミングがとても印象的な胡粉ネイル  

近頃さまざまなメディアで取り上げられている『胡粉(ごふん)ネイル』。いろんなショップで販売されているので、ご存知の方も多いでしょう。そんなファンの多い『胡粉ネイル』を手掛けられている上羽絵惣(うえばえそう)は、老舗の日本画絵具専門店。なんとSinQ編集部のご近所なのです!そこで、スタッフの方々に胡粉ネイルの開発秘話などを伺ってきました。 

上羽絵惣店舗外観
2021年で創業270年を迎える上羽絵惣。創業の地もここ。

クリスマスの限定品は過去最高のラメ具合 

――今日はよろしくお願いします!いきなりですが『胡粉』って何ですか?

細川さん:『胡粉』はホタテの貝殻から作られる顔料なんですよ。日本画で使われる白い絵具の一つですね。日本人形の絵付けにも使われています。    

胡粉
上羽絵惣白狐のマークのパッケージ
昔から使われている「白狐」印のパッケージ

――人気の『胡粉ネイル』はこの胡粉が使われているネイルで、発売から10年だそうですね。どのように考え出されたものなのでしょうか?

店長 西村さん:当時の開発担当者が、ある工業高校の生徒がホタテ塗料を爪に塗っているというニュースを聞いて、「うちの胡粉でも」と開発を試みたことがきっかけです。『胡粉ネイル』は水溶性のネイルなので爪にも優しく、胡粉の成分が爪にツヤを与える効果も。現在では常時約30色以上ご用意しています。

――選ぶのが悩ましい〜!他にも限定カラーも定期的に発売されているとか。

西村さん:そうなんですよ。春夏と秋冬の限定、加えて夏とクリスマスに限定カラーを発売しています。今月12日から、クリスマスに合わせたこの冬の限定セットを販売中です。また、不定期ですがここでしか購入できないカラーを発売することも。

2020-2021冬の期間限定品『胡粉ネイル 冬の小箱』
販売中の2020-2021冬の期間限定品『胡粉ネイル 冬の小箱』。綺羅星(きらぼし)と玉椿(たまつばき)が桐箱に入った2色セットで、大人気イラストレーター鬼頭 祈(きとう いのり)さんの描き下ろしメッセージカード付き。

――これ素敵ですね〜。今回の冬の限定セットでこだわったところは?

川村さん:今回のこだわりはキラキラ具合ですね。ラメの量は過去最高です。胡粉ネイルは一般的なネイルに比べて粘度が低いので、ラメがのりにくく流れやすいんです。なので、これ以上は無理というところまで入っています。よく瓶を振ってから塗っていただくと発色がキレイですね。

新色の企画はいつもみんなでアイデアを 

――新色を次々に考えるのは、大変なのではと思うのですが…。

川村さん:新色を企画するときは、スタッフみんなでアイデアを出し合うんですよ。スタッフそれぞれの個人的に好きな色や欲しい色を挙げますね。他所のお店で販売されているものでいいなと思った商品を集めてみたり。

西村さん:一番大切にしていることは季節感ですね。かわいい色でも季節に合わないものは、見送ります。

上羽絵惣西村さん、細川さん、川村さん

――商品名もその都度?

西村さん:そうです。色と同じように、商品名もみんなで何案か出し合いますね。日本の伝統色のような名前ばかりでなく、「この名前面白いね」とか色のイメージなどから悩みながら作ります。  

店長 西村さん
店長の西村さん

川村さん:今年の秋冬限定色のように3色展開の場合、広告には3色並べて掲載することを想定し、商品名のバランスをみて考えます。クリスマス向けの限定色は伝統名にこだわらず、雰囲気も重視した名前にすることが多いですね。

大人気イラストレーターとの繋がりはSNS! 

――セットに含まれるメッセージカード、大人気イラストレーターの鬼頭 祈さんが描かれたとか。

川村さん:冬(クリスマス)に限れば、鬼頭さんにお願いして5回目になります。通年販売のギフトBOXのカードになっているイラストを含めると、お願いしているのは6回目ですね。実は鬼頭さんとはSNSがきっかけなんですよ。

鬼頭祈さんによる通年販売のギフトBOX用カードのイラスト
SNSでつながるきっかけになった鬼頭さんのイラスト

――SNS!どういう経緯なんですか? 

細川さん:鬼頭さんが胡粉ネイルのイラストをTwitterに投稿されて、それを偶然うちのスタッフが発見したんです。「これはかわいい!!」ということで、こちらから鬼頭さんに連絡させていただきました。そのイラストは今、通年販売のギフトBOX用カードとして使わせていただいています。

川村さん:鬼頭さんは京都造形芸術大学(現 京都芸術大学)で日本画コースを卒業されていて、学生時代から上羽絵惣の顔彩(がんさい)や胡粉を使ってらしたそうなんです。あと胡粉ネイルも。縁を感じますね。

新色の色味は納得いくまで何度も

――上羽絵惣のサイト内の「ねいる図案帖」ページにはネイルアレンジも!これも皆さんで考えているんですか?

細川さん:はい。クリスマス、お正月、バレンタイン、ハロウィーンなどのイベントに合わせてみんなでアレンジを出し合い考えています。でも、ギリギリまでアイデアが降りてこなくて、いつも追い込まれてます(笑)。

スタッフの皆さんによるネイルアレンジ作品

――他に苦労されていることはありますか?

川村さん:新色を企画し製造する上で、胡粉ネイルには苦手な色があるんですよね。思った色にならなかったり、くすんでしまったりとか。例えば今回の秋冬限定色の『花菊(はなぎく)』もそう。とても苦労しました。試作ではうまくいっても、製造になるとうまくいかなかったり。納得できるまで何度もやり直しをしたので、製造担当者にはご苦労かけました。

商品企画担当川村さん
商品企画担当の川村さん

2021年で創業270年、日本最古の日本画絵具店 

――上羽絵惣さんは日本最古の日本画絵具の専門店ですが、どんなものを扱っていますか?

細川さん:胡粉ネイルに使われている「胡粉」をはじめ、「岩絵具(いわえのぐ)」、「水干絵具(すいひえのぐ)」、先ほど鬼頭さんのお話でも登場した「顔彩」、「鉄鉢(てっぱち)」などを扱っています。この場所で製造しているものもあるのですが、外部の職人さんにもお願いしています。基本的に手作業なんですよ。

絵具販売担当細川さん
絵具販売担当の細川さん
上羽絵惣 日本画用絵具商品

――初めて見たものもあります。

細川さん:「顔彩」や「鉄鉢」は水を含んだ筆を直接つけて使います。岩絵具など粉の状態のものは、通常、お皿に出して、膠(にかわ)というのりの様なものを混ぜて使います。そういえば、以前左官屋さんが購入されましたね。何でも、子供部屋をピンクの壁にするのに使うとか。

――意外な使われ方ですね!

細川さん:必要以上に化学的なものが入っていないので、子供部屋にぴったりだったのかもしれませんね。

スタッフ川村さん、細川さん、西村さん

――今日お邪魔して、社内の楽しい雰囲気が伝わってきます。

西村さん:社員7名、パートさん4名。スタッフ全員女性なんです。なのでそんな雰囲気を感じていただいているのかもしれませんね。企画の立案は社員でするのですが、パートさんたちも意見を出してくれていますよ。       

――女性だけの職場なら、女子会をされることも?

細川さん:はい。今はコロナ禍で開催が難しく、とても残念です。実は店長はとてもグルメなので、すぐ美味しいお店を教えてくれるんですよね。店長おすすめのお店でまた開催したいです。他には、スタッフの誕生日にみんなでケーキを食べたりしますよ。

川村さん:そうそう、普段は3時のお茶の時間として集まったりしていたんですよ。いずれは再開できればいいですね。

インタビューは、ちょっとした女子会に!今回ご紹介できませんでしたが、京都の町家独特のほそ長い敷地で、奥までズラッと収納されているいろんな絵具が圧巻でした。上羽絵惣の豆知識として、限定色の胡粉ネイルのラベルは金色なんですって。また、スタッフの皆さんがつけておられるエプロンは9色もあるそうです。ぜひお店で確認してくださいね!!(文:上山/写真:木村)

上羽絵惣スタッフプロフィール画像

上羽絵惣株式会社 

店長 西村 由美子さん(中央) 

2010年入社 着物・京都・和小物が大好き。美味しいもの探しが趣味。「最近、伏見の酒蔵に行って仕込み蔵を見ながら搾りたてのお酒を味わってきました。」 

商品企画担当 川村 恵美さん(右)

2013年入社 DTPオペレーター・デザイナー、経理・総務事務を経て上羽絵惣に入社。「現在コロナ禍で増えたウェビナーを受けまくって情報収集にいそしんでます。」  

絵具販売担当 細川 華子さん(左)  

2014年入社 日本画絵具を知ってもらうべく実験動画を計画中。「最近、料理の手際が良くなりました。食べた事のない変わった野菜はひとまず挑戦します。」  

上羽絵惣

京都市下京区燈籠町579(東洞院通高辻下ル)  
TEL 075-351-0693
定休日 土曜日・日曜日・祝日
営業時間 9:00~17:00
https://www.ueba.co.jp
https://www.gofun-nail.com/