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カルチャー
まち歩きのユニークなお供「下京暮らしの手帖 -Goodneighbors Note- 」

まち歩きのユニークなお供「下京暮らしの手帖 -Goodneighbors Note- 」 

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自分のまちのを知り、好きになるきっかけに 

「下京暮らしの手帖 -Goodneighbors Note- 」は、下京区のまちについて知る・楽しむきかっけをくれるユニークなカード式の本です。どのようにしてこの本が誕生したのか、発刊元のNPO法人京都カラスマ大学(以下:京都カラスマ大学)学長で文筆家・編集者の高橋マキさんにお話を伺ってきました。 

下京暮らしの手帖『初級編』『上級編』

人と話せない状況はチャンス   

――本の発行元である京都カラスマ大学の学長を務めていますよね。どんな活動をされているんですか?

京都のまちをキャンパス(学び場)に見立て、「まちとひと」「ひととひと」をゆるやかにつなげる、地域密着型の学びの場を提供しています。子どもから大人までが学び合う生涯学習の場です。ここで出会った人同士が学びをきかっけに仲良くなり、帰り道にお茶でもしましょうっていう風になって、ファンになったり入門したり、友達、恋人、結婚とか、自由に関係を築いてほしいんです(笑)。しかし、コロナ禍で人を集めた授業が難しくなり、私たちが望んだ化学反応が生まれることが期待できなくなりました。     

――その状況下で、この手帖のアイデアが生まれたそうですね

人とも気軽に話せない環境は、見方を変えれば、オーバーツーリズムが消滅した京都のまちを、京都に暮らす私たちがのびのびと楽しめるチャンスだ!と。その後押しになるような、いつもの自分と違う視点でまちに出ることの手助けをしてくれる何かを、私の得意な「編集」の力を生かして作ろう、と思ったんです。コロナ禍でみんなZOOMやオンラインに意識が向けられていた中、私は天の邪鬼だから紙で作りました(笑)。少額ですが、制作には下京区のまちづくり助成金「SHIMOGYO+GOOD」を活用しています。 

下京暮らしの手帖『上級編』を手にする

――初級編・上級編あわせて50のアクションはどのように集めたのですか?

「下京の暮らしを楽しむ日常コンテンツを集めよう」というお題目でお寺でワークショップを行いました。そこで出た内容を持ち帰って、編集、デザインのチカラを掛け合わせ、市民の皆さんや大学生の声を聞いたりしながら、半年後に最終的にこの形になりました。 

下京暮らしの手帖『初級編』の1つ目アクション
「下京区内で井戸水を飲んでみよう」「お豆腐屋さんで豆腐とお揚げさんを買ってみよう」など初級編/上級編それぞれ25のアクションがまとめられている 

自分の気づきとか感覚を大事にしてほしい    

――メモ書きできる仕様もユニークですね。どういう使い方をしてほしいですか?

1人でまち歩きをして欲しいと思い作りました。SDGs*のどの目標に当てはまるかも載せていますが、下京のまちを知ることが、世界や社会とつながっているんだっていう気づきは、人とおしゃべりしながらだと難しいんじゃないかなと思って。人と集まれない今だからこそ、自分だけの個人的な気づきとか思い出、感覚などを大事にしてほしいので、見方や感想をメモに残せるようにしています。

*Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと  

下京暮らしの手帖使い方のページ

――Goodneighbors(よいご近所さん)に込めた思いは?

ご近所さんとして自分のケアできる範囲のまちや人を大切に、信頼しあいながら助け合っていくことで、安心・安全で犯罪の少ないよりよい世界につながると思うんです。SNSでも近しい人が困っていたら自分には何ができるだろうと考えられる。SDGsが掲げる「国際目標」という大きな課題も、その第一歩は、私たちが生まれたまち、暮らすまち、働くまちとしての下京区をよく知り、よく考えるようになることで、小さなアクションを起こせるのではないでしょうか。    

NPO法人京都カラスマ大学 学長 高橋マキさん

美しくデザインされた未来へのあり方に共感 

――そもそも京都カラスマ大学との出会いは?

シブヤ大学の姉妹校として、京都カラスマ大学が誕生したのが2008年です。当時、私はフリーランスライターとして京都のことを雑誌に書き続ける傍ら、自分の名前で本を出したり、ラジオのパーソナリティーを務めたりしていました。友人から「京都でこういうのを立ち上げたいから話を聞いてみて」と声をかけてもらって、立ち上げメンバーに会ったのが最初です。 
京都カラスマ大学は、東京のシブヤ大学の初の姉妹校として生まれたのですが、学びの仕組みや未来に対する視座など、その目指すところがとても美しくデザインされているなって。これは面白そうだ!と直感で授業づくりのスタッフとして入ることを決めました。その後、いろいろあって(笑)学長という名が付いていますが、今も昔もずっと、無償のボランティア活動です。

下京暮らしの手帖

――下京暮らしの手帖はどこで手に入りますか? 

この本は寄付型プロダクトなので、1冊700円の寄付をしていただくかたちになります。京都カラスマ大学から申し込んでいただく他、下京区の書店「hoka books」さんでは直接手にとっていただけます。


こういう、商業的ではない少部数の出版物を「ZINE」と呼ぶんですが、この手帖を発刊後、ZINEを快く置いているような独立系書店が下京区内にないぞ!と気付いたんです。そんな時、まるで私の念力が通じたかのようなタイミングでちょうど下京区の路地奥に開店されたのが「hoka books」さん。店主のおふたり自身もクリエーターだし、そういう場所に置いていただけてよかったです。今後もまちの雑貨屋さんやカフェに置いてもらえたら嬉しいですね。 

高橋マキさんの話し方や考え方は勉強になることばかりでした。知的でチャーミングな方。カメラを向けた時のポーズにお人柄があらわれています。取材後、息子と一緒にこの手帖を持って下京をお散歩しました。小さな子ども視点での「これは何?」(例えば、道端の植物や猫よけのペットボトルなど)に答えるのも楽しい学びの時間となりました。  (文:武藤/写真:加藤)

NPO法人京都カラスマ大学 学長 高橋マキさん

「下京暮らしの手帖 -Goodneighbors Note-」発刊 NPO法人京都カラスマ大学 学長 高橋マキさん  

文筆家・編集者。201010月より京都カラスマ大学代表理事に就任。古い町家でむかしながらの京都の暮らしを実践しつつ、「まちを編集する」という観点から、まちとひとをゆるやかに安心につなぐことをライフワークにしている。著書に『ミソジの京都』『読んで歩く「とっておき」京都』『珈琲のはなし。』『ときめく和菓子図鑑』『京都のフォトジェニック和菓子』など。 

下京暮らしの手帖 -Goodneighbors Note-(初級編/上級編)

2021年3月1月発行
編・著・発行 NPO法人京都カラスマ大学 
https://www.karasumauniv.net/ 

1冊700円(寄付として)
https://goodneighborsnote.stores.jp/  

ー下京区での取り扱い場所 ー
hoka books 
京都府京都市下京区小泉町100-6
080-2048-6328
定休日 月・火
営業時間 13:00〜19:00 
https://hokabooks.com/