同地域異業種展開が話題の友添商店によるサラダ&デリカテッセン「マールデリ」
東洞院通り沿いであるものの少し内に入った店の中をのぞくと、カラフルなデリ(惣菜)がショーケース内に並んでいます。ここはサラダとデリカテッセンのお店「マールデリ」です。どのような想いから生まれたのか、運営する株式会社 友添商店の代表・友添さんにお話をうかがってきました。
ーーマールデリについて教えてください
河原町五条にある「マールカフェ」の姉妹店として2021年6月にオープンしたサラダとデリカテッセンのお店です。サラダやデリに合うサンドイッチ、おにぎり、スープ、ドリンクもあります。主力商品は【サラダ&3デリBOX】で、ドレッシング6種類、トッピング9種類、デリ14種類からお好みのものを組み合わせていただけます。サラダの量はめっちゃ多くて約130gあり、男性でも満足できると思います。ドレッシングの一番人気は[小松菜ジェノベーゼ]で、女性の方には[ハニーマスタードヴィネガー]が好評です。
ーードレッシングからデリまでカラフルですね
❝健康的でお洒落な食事体験を通してお客様の一日をちょっと特別なものにする❞がマールデリの店舗理念なんです。健康って、食品に含まれる成分だけじゃないと思っているので、見た目でも気持ちが上がるように華やかさにもこだわっています。例えば、ルージュ色のゆで卵はビーツで染めています。天然由来の食用色素を使っているので安心して召しあがっていただけますよ。デリは国産野菜を中心に、添加物は一切使用していません。
ーーデリメニューは月ごとに変わるのですか?
月に2、3種類が入れ替わります。今のおすすめは店長考案の【4種の野菜のテリーヌ 自家製ハニーレモンソースがけ】ですね。美味しいし彩りもきれいで、いろいろな野菜を食べられますよ。【ソイミートの台湾風甘辛唐揚げ】は、本当に美味しいと思えるソイミートを使っています。しっかりとした味付けで食べごたえもあり、動物性のものは一切使っていないのでヴィーガンの方でも食べていただけます。オープン当初から唯一あるのは【かぼちゃサラダ】です。
(取材日:2022年12月末)
ゴールドジムとのコラボメニューもあるんですね
そうですね、ゴールドジム様や美容セルフエステのボディアーキ様ではコラボメニューで体づくりのサポートをさせていただいております。ワコール様が運営している宿泊施設「京の温所」では朝食をお届けさせていただくなど、企業さんからお声をかけていただくことも増えていますね。
ーーBOXも魅力的ですよね。オリジナルでしょうか?
マールデリの店舗理念を表現するために、京都で大正6年創業、紙の箱を製造する「マルシゲ紙器」の4代目 大西修平さんに協力いただきオリジナルで作りました。美しいし、持ち運びやすいし、デリが入ったBOXが抜けないカッティングなど本当に機能的なんです。このBOXを持って京都の街を歩く姿を想像してみてください。めっちゃスタイリッシュじゃないですか?
BOXはリサイクルできる紙製にこだわり、フォークは植物由来のプラスチック製のものを選んでいます。見た目もいいですし、環境にも優しいことを大切にしています。
日本一のサラリーマンになりたかった
ーーマールデリを運営する株式会社 友添商店について教えてください
❝京都をおもろくする❞が企業理念の会社で、僕が代表取締役社長です。僕が26歳の2005年に友添商店として1店舗目にあたる雀荘「麻雀ポッチ」を開業したのが始まりですね。「あったらいいな、今はないけど」という出店ポリシーのもと、居酒屋「ここでのめ」、図書室のあるカフェ「マールカフェ」、サラダ&デリカテッセン「マールデリ」の4店舗を運営しています。そもそも僕は日本一のサラリーマンになりたかったんですよ。
ーーそれは興味深い発言です
ある程度勉強もできて人気者だった。その性質は大学生になっても変わらず、日本一のサラリーマンを目指そうと決意。当時、日経新聞の優良企業ランキング1位のローム株式会社の社長になったら日本一のサラリーマンだと証明できると、意気込んで就職したんです。でも入社してみたら社長になるのは長い道のりだと知りました。当然ですよね(笑)。自分で起業して、そこを日本一の会社にする方が早そうだと思い、サラリーマン3年目で退職しました。
ーーそこから麻雀ポッチをつくられたのですね
そうですね。僕自身、麻雀が好きなこともあり雀荘をつくりました。雀荘を運営しているうちに、日本一の会社って明確な基準がないことに気がついて。僕がやりたいことを見つめ直した時に、今いるお客さまや一緒に働いてくれるスタッフの笑顔が増えるような仕事をしたいと思って、目標が変わったんですよ。例えば雀荘の2号店をつくろうとしたら商圏のかぶらない京都府外になり、目の前にいる人の笑顔が見られなくなる。そう考えた時、目の前にいる人と僕が生活する圏内に店を増やしたくて、異業種での1店舗目となる居酒屋「ここでのめ」をつくりました。
2030年までに異業種で20店舗つくる
ーー次なる同地域異業種展開の構想を教えてください
❝四条河原町の交差点から半径2キロ圏内に異業種で20店舗つくる❞ことが2030年までの会社のビジョンです。今4店舗あるので残り16個でつくりたいのは、プール、職業を学べる塾、小さな映画館、アパレルショップ、ファミリーレストランですね。最近は廃校になった小学校の活用も考えています。現在でも廃校になった学校を市民に開放しているところがありますけど、サークルなどのコミュニティに入らないと行けなかったりする。僕は広く市民の人に知ってもらい気軽に利用できる場をつくりたいんですよ。芝生が敷かれたグランドは無料開放し、軽飲食やコワーキングスペース、雑貨屋さんや美容室もあって。そこに託児所なんかもあれば最高だなと思います。
ーー京都をおもろくするための原動力は?
執着が強くなったのは創業してからですね。京都市は日本一学生比率の高い町だと言われています。さらに優秀な大学が多いという特徴もあることから日本中、そして世界にも飛び立っていく学生さんが多いと思うんです。そんな若者の原体験が良いものであれば、世界中に良い影響を与えられる仕事になるなと考えたんです。お客様としてでも、アルバイトとしてでも、そんな体験を提供したいんです。友添商店が世界中に店をつくることは難しいですけど、僕らがハートを持って商売をして、それを若い人に経験してもらうことで世界につながる仕事になっていく。これが今の一番強い動機ですね。
久しぶりに体が喜ぶ食事をサラダ&3デリBOXでさせていただきました。食べごたえがあり、ソイミートはお肉と遜色ない美味しさに驚きました。友添さんの言葉は誠実で夢とパワーにあふれており、一市民として2030年の四条エリアが楽しみでなりません。(文:武藤・写真:加藤)
株式会社 友添商店 代表取締役社長 友添 敏之さん
神奈川県生まれ。友添商店の代表取締役であり最高位戦日本プロ麻雀協会のプロ雀士。趣味は読書と登山。書店で値段を見ずに本をまとめて買えるようになったことが喜び。トレードマークのヘアスタイルはサッカー元ブラジル代表のマルセロ選手をイメージ。
MARDELI(マールデリ)
京都市中京区元竹田町633番地 1階
TEL 075-600-9102
定休日 年中無休
営業時間 11:00〜21:00
※掲載内容は取材時のものです。最新情報は念のため店舗公式の情報をご覧ください。